Oiled Leather
使うほどに深まる、色艶の変化をお楽しみいただけます
革の製造工程には、革の質感を柔らかくしたり、耐久性を高めるために油分を含ませる工程があります。オイルレザーは、この工程で他の革よりも多くオイルを染み込ませた革のことを指します。染み込ませるオイルには、牛脂や魚脂、植物油、鉱物油などがあり、これらのオイルを、仕上げたい革の質感や風合いに合わせて適宜ブレンドして加えます。
オイルをたっぷり含んだオイルレザーは、しっとりとした触り心地と、上品な艶があるのが特徴的です。他の革に比べると、オイルを含んでいる分、撥水性に優れています。多少キズやシミが付いてしまっても、使っているうちに中の油分が染み出て目立たなくしてくれます。手でよく触れる財布やバッグ、シューズなどによく使用されています。また、通常の革に比べて、質感や色味が変わる経年変化を感じやすい革と言われています。使い込むうちにさらにくったりと柔らかい手触りになり、色艶が深まっていくのを楽しめます。
Embossing
革の表現力の可能性を教えてくれる加工方法です
革の仕上げの一つである「型押し」加工。凹凸を付けた金属板を利用して、熱と圧力をかけて革の表面に型をつけていきます。細かな模様を刻印する方法と、他の動物の革に似せた模様を型押しする方法があり、革に立体的な表情を与えることができます。もともとある革の表面のキズを隠す効果があると同時に、新しいキズが付きにくくなるというメリットもあります。
クロコダイルやトカゲなどのエキゾチックレザーに似せた型押し革は、近年の加工技術の向上もあり完成度が高いものも多く、一目では型押しと分からないようなものもあります。また、細かな模様を刻印する方法では、定番のシュリンク模様や、草花をモチーフとした繊細なデザイン模様、立体感のあるメッシュ模様などが人気で、財布などの小物やバッグなどに多く使用されています。ヌメ革などのナチュラルレザーに型押し加工を施すと、美しい模様と経年変化を楽しめる革が出来上がります。
Shrunk Leather
表面を縮ませることで、もともとのキズやシワなどを隠すことができます
英語のShrink(縮む)を意味するシュリンクレザー。革の製造工程で、特殊な薬液に漬け込むことで革の表面を収縮させた革のことです。天然素材である革には、動物が生きていた時のキズやシワなどが残っていますが、シュリンク加工を施すことで、こういったものも目立たなくなります。また、ぎゅっと表面を縮ませることで革の密度が高まり、程よい厚みと耐久性がある革に仕上がります。革の表面に型を付ける型押し革と違い、革そのものを収縮させてシボ模様を作るため、通常の革よりも厚みはありますが、ふっくらとして適度なコシがあり、柔らかい質感のものが多いです。
優しい風合いとしっとりとした手触りのシュリンクレザーは、財布や小物、バッグ、ソファなど様々な製品に利用されています。シュリンク加工を施すことで、革を折り曲げた時のシワや、使っているうちにできるキズなどが目立ちにくいというメリットがあります。
Smooth Leather
幅広いアイテムに使用されています
表面がなめらか(スムース)になる加工が施されている革を、スムースレザーと呼びます。なめらかな表面ということで、スウェードやヌバックなどの起毛革や、型押し加工されたもの、シュリンクレザーなど表面に凹凸のある革は含みません。 スムースレザーには、銀付き革とガラス張り革の2種類があります。銀付き革は、革の銀面(毛が生えていた側)をそのまま利用した革のことです。キズやシワなどがみられることがありますが、革本来の持つ質感や風合いを生かした革と言えます。銀面がきれいな状態の革を使用することが多く、高級な革に仕上がります。
一方で、ガラス革は、なめした後の革を、表面が平滑なホーローや金属板に貼り付けて乾燥させ、銀面を磨いた後に塗装を施した革のこと。塗装には、顔料や合成樹脂が使用され、キズや水濡れに強くなります。また、すべらかで均一な表面に仕上がりますが、銀付き革と比べると革の風合いは控えめです。
Soft Leather
使い始めから柔らかく、それでいてレザーらしいコシも合わせ持ちます
ソフトレザーは、「素上げ」と呼ばれる仕上げで作られた革です。通常の仕上げでは、薬品を用いて革に様々な処理を施しますが、素上げではあえてその処理を行いません。お化粧で言うとスッピンのような状態です。そうすることで、革本来の風合いを引き出し、動物の革が本来持っている柔らかで自然なぬくもりを感じられる革が出来上がります。
使い始めから柔らかいうえに、それでいて革らしいコシもある。手に吸い付くようにフィットするその質感は、まさに「毎日触りたくなるような革」と言えるでしょう。
※合成皮革にも「ソフトレザー」という種類があるため間違われやすいですが、私たちが取り扱うソフトレザーは正真正銘の本革となります。
Nume Leather
自然な風合いとこっくりとした飴色に変わっていくエイジングを楽しめます
ヌメ革とは、植物由来のタンニン(渋)を鞣し材として使用して作られた革のこと。ナチュラルレザーとも言います。無染色のものを単に「ヌメ革」、染料で染め上げたもの「カラーヌメ革」と呼び分けることが多いです。 製造工程で加えられるオイルは必要最低限で、表面加工はほとんど行いません。そのため、ヌメ革には動物が生きていたころのキズやシワ、血管の跡などがそのまま残っています。革そのものの自然な風合いを存分に楽しめる革と言えます。
使い始めは、繊維が詰まっているため固く、ごわごわとした手触りのことが多いです。キズや水濡れには注意が必要です。使っていくうちに、次第に革の繊維がほぐれて柔らかくなり、革にしみ込んだタンニンや手の皮脂によって色が変化して艶が出てきます。使用時についたキズやシミの跡も、気にならなくなったり、革の味わいになっていったりします。もともと耐久性のある革ですが、お手入れ次第では何十年も使い続けられます。
Baseball Glove Leather
使い込むことで自分だけのグローブに育てることができます
野球グローブには、革の繊維が比較的均一で丈夫な牛革が使用されることが多く、中でも、キップとステアハイドという2種類の牛革が使用されます。キップは、生後6か月~2年以内の中牛の革のこと。ステアハイドは、生後2年程度で、3~6か月の間に去勢された雄の成牛から採れる革のことです。どちらの革も、適度な厚みがあり丈夫で、銀面(表面)の手触りが良いのが特徴です。野球グローブに求められる耐久性・弾力性・柔軟性といった条件を満たすのに最適な革と言えます。
一般的に、野球のグローブは、捕球時にボールの勢いを止めるために、銀面(表面)に塗料や塗膜を行いません。染色は、染料を使って革の繊維を染める染料仕上げという方法で行われますが、この時、革の中心(芯)まで染料を染み込ませると芯の繊維がほぐれて、弾力性や耐久性を損なうことから、中心部まで染めない「半芯通し」という方法が取られることが多いです。
S.G.Leather
安心して触れる新時代の革素材です。(特許申請済み)
S.G.Leatherは、「清潔に使える革」をコンセプトに開発された、抗菌を上回る制菌加工を施した高級天然レザーです。繊維レベルにまで有効成分を浸透させ、革自体に抗菌・制菌機能を持たせることを実現しています。スプレーなどの単なる表面処理に比べて、抗菌効果にムラが無いのが大きな特徴です。
さらに、S.G Leatherは清潔に使えるだけでなく、上質な本革ならではの使い心地の良さもお楽しみいただけます。製造元であるごとう製革所は国内有数の革の名産地、兵庫県たつの市に工場を構え、野球グローブ用の「素上げ革」を得意とするタンナーです。長年、野球グローブレザーの製造で国内有数のシェアを誇る同社の最高峰の技術によって、高い抗菌・制菌効果に加え、革本来の風合いをいかした、手に馴染むタッチ感も楽しめる革が誕生しました。